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執筆者の写真naoki koyano

平塚美術館

更新日:2020年5月8日


残暑お見舞い申し上げます。お盆休み、皆様いかがお過ごしでしょうか。

お盆前に、夏らしい展覧会に行って来ました。

枡やビニール袋の中に樹脂を流し入れ、立体的に金魚を描く現代アート作家の深掘隆介展です。タンスの引き出し、拾った缶ジュースなど、日本画を描いている私にとっては、到底考えもつかないような素材や物に、金魚を描いていました。

特に衝撃的だったのは、3・11で戻らぬ事になってしまった小学生の名前入りの上履きです。作品の背景が、作品を押し上げることは日本画でも重要な事と感じていましたが、ここまで作品自体にダイレクトに繋がっていることで、響いてくる感覚が衝撃でした。

縁日の金魚すくいは、誰しも幼い頃の思い出を持っている共通項でもあります。

作家と金魚との繋がりのストーリーが、誰でもありそうな出来事からで親近感も感じられ、日本的な文化の面白い捉え方、表現が新鮮でした。

もう一つの目的は常設展でした。

日本画家の、工藤甲人(くどうこうじん)先生の作品に会いに行く事でした。

工藤先生が芸大の教授でいらした頃と、私の入学が入れ違いだったので、大学時代にご指導を受けたことはなかったのですが、卒業後あるご縁で先生のお宅の引越しのお手伝いをしてから伺う事が多くなり、お電話をして伺うと、ご自分の仕事そっちのけで何時間も、いろんな絵に関するお話や絵具、技法のことまでご教授下さいました。

ある時は、どうしても大きな作品を見て頂きたくて、トラックに作品を積み込み伺ったこともありましたが、嫌なお顔ひとつせず「中に運んで来なさい」と言ってくださり、ご批評をいただいたことも、思い出のひとつです。

個人的にいろいろご指導いただけた事は、本当に感謝しております。

会場には、代表作の「愉しき仲間 1・2 」が展示してあり、久しぶりにお話を伺えた感覚、身も心も引き締まりました。

工藤甲人(くどう こうじん)1915年〜2011年 

日本画家、創画会会員、東京芸術大学名誉教授、沖縄県立芸術大学客員教授

青森県弘前市出身、川端画学校日本画科を卒業、福田豊四郎に師事。

自然の昆虫や小動物、植物の葉などを繊細な描線で描き、その周りを群青などの単色の岩絵具で色面を大きく取り、装飾的に感じるような構図が特徴とされる。

《 作品収蔵 》

 東京国立近代美術館

 京都国立近代美術館

 山種美術館

 平塚市美術館

 弘前市立博物館

 富山県立近代美術館

 東京芸術大学大学美術館

 青森県立美術  

 他数                                      (Wikipediaから抜粋)

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